心療内科・精神科一般
心療内科・精神科一般
心療内科は主に心理的な要因(ストレス)から身体症状(頭痛や吐き気、腹痛、胃痛、全身倦怠感など)をきたす疾患を対象とする診療科です。身体症状をきたす背景に心理的な理由が思い当たる場合、心療内科の受診をお勧めします。また、ストレスなどの自覚がなく、身体の不調が続き、内科などを受診しても異常が見当たらない場合も心療内科の対象となります。
精神科は心の症状や病気を専門にみる診療科です。不安や気分の落ち込み、イライラ、幻覚妄想といった症状や、認知症や発達障害も精神科の対象となります。
うつ病では、気分の落ち込み・意欲の低下が2週間以上続き、仕事や学校、家事など日常生活に支障が生じてきます。ものの見方や考え方が否定的になり、また適切な判断が出来なくなることもあります。
適応障害では、耐えがたいストレスにより心身のバランスを崩し、生活に支障を来してきます。ストレスの原因がはっきりしており、その環境を変えたり離れることで改善することが特徴です。
代表的な発達障害には、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如多動症(ADHD)などがあります。最近では“大人の発達障害”といって、職場での不適応などをきっかけとして成人になってから診断されるケースも増えています。
認知症では、加齢に伴う「もの忘れ」より進行が早く、日常生活全般に支障が出ることが特徴です。進行が疑われる場合は画像検査が可能な病院と連携し診断を確定させます。
社交不安障害では、注目を浴びる状況で、失敗や批判を極度に恐れることが特徴です。かつては対人恐怖症や赤面恐怖症、あがり症ともいわれていたものです。
パニック障害では、突然のパニック発作(動悸・めまい・呼吸困難など)とまた発作が起きるのではという予期不安が特徴です。予期不安のために外出が制限されるなど日常生活に支障をきたすこともあります。お酒やカフェインが症状の悪化と関連するとされています。
全般性不安障害では、様々な日常生活の出来事に対して過剰な不安・心配を抱き、それをコントロールできずに精神症状や身体症状が出現することが特徴です。そのため苦痛を感じ、日常生活に支障をきたしてきます。
強迫性障害では、一度頭に浮かぶと払いのけられない考えが生じ、自分でも無意味であると分かっていながら何度も同じ確認行為を繰り返してしまうことが特徴です。
双極性障害では、ハイテンションで活動的な躁状態と、憂鬱で無気力なうつ状態を繰り返すことが特徴です。うつ状態で発症し、その期間の方が長いため初めは「うつ病」と診断されることもあります。これまでの躁状態の時のエピソードを聴くことが重要となります。
統合失調症では、自分の考えや感情を上手くまとめることが難しくなり、そのため幻覚や妄想などの症状が現れることが特徴です。周囲から見ると、「独り言が多い」「悪口を言われたなどの被害を訴える」「話がまとまらず支離滅裂になる」「一人でいることが多い」などがサインとして表れます。早く治療を開始すれば、それだけ回復も早いとされています。
身体症状症では、内科的な異常が特にないのに身体症状が半年以上続き、そのために抑うつや不安などの精神症状も出現することが特徴です。
自律神経失調症では、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、全身の機能に支障をきたし様々な症状が現れることが特徴です。原因としては生活リズムの乱れ、過度なストレス、環境の変化、ホルモンなどの影響が考えられています。
解離性障害では、意識や記憶に関する感覚をまとめる能力が一時的に失われ、その症状が深刻であるため、日常生活に支障をきたすことが特徴です。ストレスやトラウマが関連しているとされています。
心的外傷後ストレス障害では、強い恐怖感を伴う体験に遭い、その体験の記憶が1か月以上経っても自分の意志とは関係なくフラッシュバックしたり、悪夢に見たりすることが続きます。不安緊張が高まり、辛さのあまり現実感がなくなったりすることも出現します。